プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
部活が終わって、いつものように部室でしばらくまったりしたあと、ぼちぼちみんな帰りはじめたので、あたしもと席を立つ。


「今から帰るなら、俺も一緒に帰ります」


おつかれさまとみんなに一声かけてから、部室を出ると、野球バッグを背負った一輝くんに声をかけられる。


ああもう、やっぱり一輝くんは元カレ元カノがとらなきゃいけない距離を分かってない。

はっきり言わないと分からないみたいだから、もうはっきり言おう。


「それなんだけどね、あんまりあたしと一緒にいない方がいいと思う。たまに一緒に帰るくらいならいいんだけど」


毎日のように一緒に帰ろうと誘ってくる一輝くんに、初めてノーと言うと、断れるとは思ってもいなかったのか、驚いてる様子。


「なんでですか?俺たち友達なんですよね?」


ともだち......、ともだちか......。
難しいな、友達って。

別にあたしだって、一輝くんと一緒に帰るのが嫌ってわけじゃない。


「友達だけどさ、うーん......。
二人きりで帰ってたりしたら、一輝くんのこと好きな女の子に誤解されちゃうよ。新しい彼女もできないし、お互いのために良くない」


同じ方向同じ時間に帰るのなら、一緒に帰ることもそうおかしくはないのかもしれないけど、毎日のように一緒っていうのはちょっとどうかと思う。


あたしの経験上、元カレと必要以上に親しくするのは良くない。

周りにも誤解されるし、それに......。


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