プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「そうなの?
嫌いになって別れたならないだろうけど、そうじゃなかったら、ちょっとしたことで気になったりしない?」


グラウンド整備をしている一二年生からの挨拶を返しながらも、そんなことを聞いてくるみのるに口ごもる。

元カレメガネとかには全っ然ときめいたりしないけど、むしろ嫌悪してるけど、一輝くんは別。

あたしから嫌いになって別れたどころか、まだ大好きだった人。全くナイとは言い切れない。


「な......くはないけど、元カレとは付き合う気にはならない。みのるは元カノと付き合えるの?」

「うん、僕は付き合えるよ。
お互いのタイミングが合えば、そういうこともあるんじゃない?」

「みのるはそうなのかもね、でも、あたしはない。

いくら三年間タンスにしまいこんでた服を久しぶりに着てみたら、意外と着心地が良かったからって、その服は捨てなきゃダメなの。三年間着もしないような服は、どうせその先もほとんど着もしないんだから、潔く捨てなきゃ。

男もそれと一緒で、一度ダメになった男はばっさり捨てなきゃダメなの」


野球部以外はほとんどの生徒が下校した、夕暮れのグラウンドで息継ぎもほとんどしないで、一気にしゃべる。

僕だったら三年前の服も着ちゃうけどと、いまいちみのるの共感は得られてない様子。

ファッションセンス皆無のみのるにこんな話してもムダだった。
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