プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「一輝くんって、彼女いるの?
いなかったら、あたしとかどう?」


今日一番の笑顔で一輝くんの腕にまとわりつくと、一輝くんは困ったようにうつむいて口ごもる。


「彼女ばおらんけんね......、ちょっと考えてもよかですか?」


一輝くんとしてはいきなり言われてもって感じなんだろうけど、ここで引くようなあたしじゃない!


「えー?それって遠回しに断ってる?
あたしのことタイプじゃないってこと?
どこらへんがダメ?」

「ダメとかじゃなかばってん、会ったばかりやけんね。
断っとるわけじゃなかですよ、前向きに考えるということでよかですか?」


一輝くんはやっぱり困っているようだけど、照れたようにそう言ってくれた。


やったー!前向きに考えてくれるってことは、あたしのこと全くナシってわけじゃないってことよね?


あたし大歓喜のなか、成り行きを見守っていた新入部員二人も、良かった良かったとうなずく。


さあー練習に戻った戻った!とあたしは何事もなかったかのように、けれどゴキゲンにみんなの背中を押した。


脈ありな感じだし、これからどんどん押していこっと。
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