プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
人が過去の男談義を熱弁してあげたっていうのに、共感どころか、いぶかしげな顔であたしを見てくるみのる。


「未練があるからそんなこと言うんじゃないの?
本当に何とも思ってなかったら、ムキになってそんなこと言う必要ないよね。心を閉ざしてるから、新しく気になる人もできないんじゃないの?」

「そんなことない。
あたしはいつでも心も体もオープンにしてるし、いいなと思う男がいたら自分から攻めてくつもりだし、上手くいけば付き合いたいと思ってる。

一輝くんにも他の男にも未練なんてまったくないけど、今はピンとくる人もいないし、寄ってくるのは変な男だけ。

あたしの周りにいい男が全っ然!いないだけなの!」


歩きながら、みのるに言われたことに思わずイラッときて、ついつい声を大きくしてしまう。

校門の近くの自転車置き場で、もうほとんど残っていない自転車と一緒にみのるを待っていたと思われる彼女を驚かせちゃったみたい。


「やっぱりムキになってるんじゃ......」

「なってない!」

「......それならいいんだけど」

「師匠~!師匠待ってください!みどり先輩!」


みのると言い合いつつも、いちおうみのるの彼女に挨拶してから、後ろから聞こえてくる不届きな声はガン無視でみのるにまた明日と別れを告げる。


「うん、おつかれ。
あいつと二人で大丈夫?」

「へーき。テキトーにまくから」


そんじゃね、とみのるにバイバイしてから、競歩かってくらいの早歩きで校門を出て、駅に向かう。

< 430 / 623 >

この作品をシェア

pagetop