プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
雰囲気にのまれたのかなんなのか、そっと握られた手をふりほどくことができない。

うちの推薦もらえるだけあって、こいつただのバカじゃないのかも......。


「いやー、師匠みたいな女王様タイプの女を服従させてみたいって野望があるんですよね!
男のロマンですね!

ていうか、強気な女の子に弱い部分があると燃えますよね!守ってあげたい系の女の子よりも、俺そういうのに弱いんですよ」


しばらく出方をうかがっていると、森村は真剣な表情から一転、急にしまりのない表情になり口元をゆるませる。


「知らないから!アンタの好みなんて!
どMなのか、チャレンジャーなのかどっちよ。

ていうか森村の前で弱い部分なんて見せたことないでしょ?憶測でワケわかんないこと言わないで」


......やっぱりただのバカだったわ。

我にかえって、繋がれた手をふりほどこうとするけど、やたら強い力で握ってきて、ぶんぶんふっても全然ほどけない。


「いやいや、みどりいま一瞬俺にときめいたっしょ?
普段の俺とのギャップにドキッとしたっしょ?
俺は見逃しませんよ~。俺と付き合う気になったなら、いつでも言ってくださいね!」

「ならないから!呼び捨てしてくんな!
もうホントアンタって......」


このしつこさに呆れたらいいのか、感心したらいいのか。


色々考えてたら、だんだん考えるのもバカバカしくなってきて笑えてくる。

思わずアハハと大声で声をあげて笑ってしまった。

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