プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
不本意なことに和やかな雰囲気になっているとこに、割って入るひと一人。


「森村、こんなとこで何しようと?」


......一輝くん。
全然気づかなかった。

一輝くんも同じ電車通学なわけだから、いてもおかしくはないわけだけど。


「みどり先輩を駅まで送らせて頂いてました!
夜道は危ないので!」


さりげなくあたしと森村の手を離した一輝くんに、森村はビシッとした様子で答える。

夜道は危ないもなにも、駅まで五分もかかんないから。


「お前また、みどり先輩にちょっかいかけてたんじゃなかと?同じ方向だし、俺が送る。森村は帰ってよか」


嫌がられてるんだからつきまとうなと一貫して森村に風当たりの強い一輝くん。

もちろん一輝くんが後輩いびりとかするわけないけど、なぜか森村にはきつく当たるのよね。

まあ森村っていまいち上下関係分かってない時あるし、体育会系男子からしたらイラッとくるタイプなのかもしれないけど。


「え?いやそんなつもりじゃないです!
ただ俺は純粋な気持ちで......」

「森村!いいから今日はもう帰って!
もう駅ついたんだからいいでしょ。
また明日ね、おつかれ」


森村は一輝くんにとって気に食わない後輩みたいだし、それにこいつが口を開くとまたメンドーなことになる。

そう悟ったあたしを有無を言わせず、森村を帰した。





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