プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「なんであんな言い方するの?
森村は一輝くんにとって、部の後輩でしょ?」


森村も森村でメンドーなやつには間違いないけど、部の後輩にきつい言い方をする一輝くんも一輝くんだ。

改札の中に入って電車を待ちながら、ため息混じりに一輝くんを見上げる。


「......すみません。
みどり先輩が森村につきまとわれてるみたいやけん、助けようと......」


責めるような口調になってしまったからか、元気のない様子の一輝くんにちょっとだけ罪悪感。

きっと一輝くんは良かれと思って、そうしてくれたのに。


「確かにあいつはウザいけど、あいつとのやりとりはコントみたいなもんだから。
本気で嫌なら、自分ではっきり言うから大丈夫。

そんなにあたしに気をつかってくれなくてもいいよ」

「気を使ってるわけじゃないです。
友達だから力になりたいし、助けになりたいだけなんです」


トモダチ......。
なんかやだ、よく分からないけど嫌だ。
ムカムカする。

はっきりと一輝くんの口から出たその四文字の単語に、なんとも言えない気持ち悪い不快感を感じた。
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