プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
別に秀がプロ野球いったとしても驚く人は誰もいないと思うし、むしろいかない方が驚きだ。

だけど秀は曲がり角のところで足を止めて、周りに誰もいないことを確認すると、今までの余裕さが嘘みたいに真剣な表情で声を落とした。


「プロには進むつもりだけど、日本の球界には入らず、メジャーに挑戦してみようと思うんだ」

「......?
日本でプロになってからメジャー行くんじゃなくて、いきなりアメリカ行くの?」


どっかの球団に所属してから実績を残して、数年後にメジャー挑戦するなら、まあよくある王道の球児憧れコースだけど、いきなりアメリカ?

予想していなかった発言だけど、秀は至って真剣、冗談を言っているといった様子でもない。


「うん、あっちでは実績もないただの高校生だった日本人だし、最初はマイナーリーグからかもしれないけど、すぐにメジャー昇格してみせるよ」

「秀がそうしたいなら別にいいんだけど、今すぐじゃなきゃダメなの?
日本で結果残してからの方が可能性も広がるだろうし、それからアメリカに行くことを考えても遅くはないでしょう?」


本人がそう決めてるのならそうしたらいいとは思うけど、何もドラフト指名ほぼ確実の秀がわざわざそれ蹴ってまですること?

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