プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「今のはあたしが悪かった、ごめん。
ちょっと今は気がたってる」


少しの沈黙のあと、ふーっと息をはいてから、森村に謝罪した。いくらストーカーまがいの森村相手っていっても、さすがに横暴すぎた。


「いや、いいんですけど。
大嫌いなんですか。そこまで言うなんて、何かあったんすか?」

「まあ色々ね。
だけど、おかげで大切なことに気づけた」

「大切なことに......?」


よく分からないと言った顔をしている森村に、うんと小さく頷く。

こんなことをこいつに話すのもどうかと思ったけど、いっそもうはっきり言っといた方があきらめてくれるかなと。


「そう、あたしが本当に愛してる人は誰かってこと。

今まで誰と付き合ったり別れたりしても、その人とはいつも一緒にいた。その人は、世間一般でいう一途でイイ人ではないかもしれないけど、あたしの過去の過ちも全部受け入れてくれる。

その人といると、最強のあたしでいれる。
強くなれるの」


今日気づいた。

真実の愛は、お互い支え合って、辛いときにそばにいてくれるような人なんじゃないかって。

色々な恋をしてきたけど、運命の人は実はすぐそばにいた、いつも見守ってくれてた人だった、なんてありがちパターン。

間違っても、真実の愛は、お互いに傷つけることしかできない人との間にはない。

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