プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「俺がケガしたと思って、心配してくれたんですか?」


とにかく早くここを出なければ。

無言で背を向けたあたしにかけられた言葉に、内心焦りながらも平常心を装う。


「心配っていうか、心配.......、心配するでしょそりゃ。
一輝くんが抜けたら、戦力にも大きい痛手があるし、他のキャッチャーって言っても、」

「嬉しいです。
てっきりもう完全に嫌われたと思っとったけんね」


よく分からないことを必死で言い訳していると、突然ぎゅっと後ろから抱きしめられて、ますますパニックになってしまった。


「ちょ、.....っと!
戦争中に敵に触るのは厳禁、」

「俺も同じです。
戦争中でも、ケンカしても、辛い時はいつだって力になりたい」


振り払おうとしていたのに、くるりと前を向かされ、両手で頬に触れられると、もう何も言えなくなる。


さっきまで敵対してたのに、いきなりそんな優しい目で見つめてくるなんて反則だ。

こんな、まるで付き合ってた頃みたいな......。


だんだん近くなっていく距離に、何か言わなきゃと必死で言葉を探してみても何も良い言葉が出てこない。
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