プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「で、その時すっごく頭にきたわけ。
あたし一輝くんに散々嫌がらせしてんのに、今さら友だちとかほんとありえない。
人が良いのも度が過ぎると、逆に腹が立つよね」


一輝くんとこうなった経緯、ていうかほぼ一輝くんの悪口を盛りに盛って、ごはんを食べている裕貴に身ぶり手振りまでつけて大げさに話す。


「なるほど、だいたい把握した。
つまり、あれだ、お前は友だちは嫌なわけだ。
一輝の彼女になりたいんだろ?」


あたしが話している最中は、たまに頷くくらいで聞いてるのか聞いてないのかわからなかった弟。

それなのに、食べ終えて箸を置いたかと思うと、とんでもないことを言い出したので、思わず叫んでしまった。


「なっ、なに言ってんの!?
なんでそうなんの?ちゃんと話聞いてた?
あたしは!一輝くんにムカついてて、それで......」

「聞いてたよ、全部聞いてた。
ちゃんと聞いてたけど、俺には一輝が好きなようにしか聞こえなかった」


憤慨しているあたしに裕貴は冷めた視線を送りながら、これまたバカにしたような一言を投げつける。

ほんっとムカつく!クソ生意気な弟。
やっぱりこいつに話すんじゃなかった。


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