プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「そう聞こえたんだとしたら、理解力ゼロね。

お互いに高めあっていけて心から信頼できる相手と輝かしい光の道か、お互いに傷つけあってどんどん嫌な人間になっていく闇の道だったら、誰だって光の道を選ぶ。

一輝くんとの未来はもう捨てたの」

「何言ってるかよく分かんねーけど、お前は闇の道でもそっちを、一輝を選びたいんじゃねーの?
闇だろうが光だろうが、お前は自分の選びたい方選ぶだろ。そういう女じゃん」


秀がこいつにどこまで話してるか分からないから、秀に一緒にアメリカにきてほしいと言われた、とあたしの口から勝手に言うことはできず。

抽象的にするしかない話にも、的確な指摘をしてくる弟にあたしも必死で何か反証できるものを探す。


「もしも一時の気の迷いで間違った方を選びたくなったとしても、人間には正しい道を選ぶための理性がある。
そのために自制心がある」


一輝くんのことは大好きだったし、本気だった。
けれど所詮は終わった恋。

お互いに信頼していて、家族同然の存在で、何があっても離れない深い絆のある秀と、一時の気の迷いで、結局はただの通過点の一輝くんじゃ、比べるまでもない。

もしもうっかりその場の感情で気持ちが戻ったとしても、そんなもののために輝かしい未来を犠牲にするわけがない。
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