プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
結局、理性も自制心も、それから輝かしい未来も、深い絆で結ばれた真実の愛も全部捨てて、一輝くんの胸に飛び込んだ。


「一輝くんが好き。
初めて会った時から、ずっと好き。
別れた後もずっと好きだった。
好きじゃなかったときなんて、一度もない。
一輝くんしか好きじゃないっ」


一輝くんにしがみついて愛してると伝えたあたしを、一輝くんはぎゅっと抱きしめて。

それから、優しくキスをしてくれた。


軽く触れるだけのものだったけど、久しぶりの一輝くんとのキス。

それだけで心が満たされていくのを感じる。


「俺も愛してる。
みどりが好きだよ」


そう言って、何度も何度もキスをくれる一輝くんを、あたしもうっとりと見上げる。


「うん......、たくさん間違えてごめんね」


しだいに深くなっていくキスに必死で応えながらも身を任せていると、そのままベッドに押し倒された。

いきなりのことでとっさに反応できずにいる間にも、一輝くんの手は、自然に、まるでそれが当然のことのように本当に自然に、あたしに触れる。


「もうよかよ。
みどりの気持ちが聞けたけん、それで十分」

「そっか、良かっ......ねぇ、なんで急に呼び捨て?
や、それは全然いいんだけどさ。一輝くんなら嬉しいし、ていうかそれよりも!あのっ!」


名前を呼び捨てされてるとかそんなことよりも、もっと大きな問題がある。

反応できずに呆然としていたら、気づくといつのまにか身に付けていたものが一枚残らずはがされてた。

いったいいつそんな技を身に付けたの。

性急に事をすすめてくる一輝くんに焦って、待ったをかけながらも、布団をたぐりよせて体を隠す。

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