プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「嫌?」


いや?って、そんな聞き方はずるいよ一輝くん。
嫌なわけないのに。

せっぱつまった顔でそう聞く一輝くんはすごく苦しそうで、早くそれを解放してあげたいとは思う。

それに、あたしだって、こうなることをずっと望んでた。

嫌どころか、こうして求められて嬉しいんだ。
嬉しいけど、久しぶり過ぎてなんか......。

初めての時よりも、ずっとドキドキする。


「嫌じゃない、よ?
全然嫌じゃないけど、さすがにちょっとこれは急すぎない?あたしにも心の準備が必要っていうか、あの、少し待って。もっと、話とか......」


心の準備とか今さら何言ってんだって感じだけど、だってほんとムリ。

一輝くんに触れられるたび、見つめられるたびに、心臓がどくんと飛び跳ねる。

男に迫られて恥じらうなんてキャラじゃないって分かってるけど、本気で心臓破裂しそうなんだもん、仕方ない。


「もう十分待ったけん、こがん待てんばい。
あとでたくさん話そう」

「いやいやいや、あとじゃなくてさ。

ねぇ、ちょっと聞いてる?一輝くん。
もう、待ってってば!

かず......、くん......」


なんだかんだと理由をつけて抵抗してみたものの、いつもとは違って強引な一輝くんの勢いに負けて、結局そのまま押し切られてしまった。
< 498 / 623 >

この作品をシェア

pagetop