プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
一段落ついた後、二人で布団にくるまってまったりしていたのだけど、だんだんこの甘い雰囲気に耐えられなくなってきた頃。


「はぁ......、もうなんかダメだ......」


はあっと息を吐いて、自然にそう呟いていた。


今までは敬語とタメ口半々でも、絶対に先輩呼びは崩さなかった一輝くんがいきなり呼び捨てになってることとか。

一輝くんがあたしを見つめる目がやたら優しいとか。

色々なことに慣れなくて、それがやけに気恥ずかしい。


「えっ.......、だ、だめだった?」


あたしがダメだと言ったのを違う意味で捉えたらしく、妙な勘違いをしてショックを受けている一輝くん。

そんな一輝くんにちょっと呆れて、軽くほっぺたをつまむ。


「ばか、違う。
そっ、ちは、すごく良かった、ていうか......
最高だった、ってもう!何言わせるの。

そうじゃなくて、なんていうかな。
数時間前まで敵対してたのに、いま一輝くんとこうしてるなんて信じられないの。急展開過ぎてなんだか、ついていくのが大変」


今日一日で色々なことが起きすぎて、目まぐるしい変化に思考が追いついていかない。

一輝くんが今あたしの横にいるなんて信じられなくて、嬉し過ぎてどうにかなりそう。


「もしかして、本気で嫌だった?」


しかし心の中で嬉しい悲鳴を上げているあたしの心中察せず、隣で一輝くんはいまだ見当違いな心配をしている。

さっきまでの強引さはどこにいったのか、不安そうな顔で、あたしの顔をのぞきこむ。

もう、なんでそうなるかな~。
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