プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
それから五分もしないうちにパパは回復して、あたしと一輝くんが隣同士に座っているソファ、リビングのソファの真正面にパパもうつむいたまま座っている。

回復してから、一度パパは廊下に出て、誰かに電話してたみたいだったけど、それからはずっとこのまま。


「本当にもう大丈夫なの?
病気とかじゃないよね?」

「病気じゃないよ。
ちょっと......こみ上げて......、いや、寝不足かな?
とにかく病気じゃないから大丈夫」


何がこみ上げてくるの?

なんか挙動不審だけど、娘の彼氏に初めて会った父親はそんなもんなのかな。

さっきから一輝くんと全く目を合わせてくれないし、やっぱ怒ってるよね。

初対面でこんな時間に勝手に上がり込まれてたら、怒るのも当たり前か。


「こんな時間に勝手に彼氏を連れ込んでたら怒られても仕方ないとは思うけど、今日は深いわけがあって......。
一輝くんは普段はすごくマジメな子だよ、野球だっていつも一生懸命やってるし、授業も一回もサボったことない。
それに、あたしたち真剣に付き合ってるの」


どうにかフォローしようと色々言ってみるけれど、反応がないので聞いてるのか聞いてないのかも分からない。

時刻はすでに十二時をとっくに過ぎて、間もなく一時になろうとしている。

だけど、明日も朝早いからそろそろお開きにしよっかー、なんて軽く言える雰囲気でもない。



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