プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「え?」

「なんでもない、よかったよね」


聞き返してきた一輝くんの腕をひいて、ソファに座らせてから、ふうとため息をついた。


一輝くんと気持ちが通じた直後は、舞い上がってて考えることすらしてなかったけど、こうして少し冷静になると、考えなきゃいけないことがたくさんある。

一応パパにはお許しをもらえたわけだけど、他の人へはどうするか、とか。


「それよりさ、あたしたちのことのなんだけど、みんなに公表するのはやめない?とりま、あたしが卒業するまでは」

「なんで?」


純粋に意味が分からないと言った顔をしながらも、あたしの手を握ってきた一輝くん、その手をあたしも握り返す。


「なんでって、ほら、色々あったじゃん。
今では噂もだいぶ落ち着いたけど、これでまたあたしとヨリ戻したってなったら、また噂がマッハだろうし。

あたしは誰に何言われても今さらだし全然いいんだけど、一輝くんにまで不快な思いさせたくない。
それだったら......」


例の二股浮気事件の噂のことでは、一輝くんも嫌な思いをしただろうし、また誰かにあることないこと言われて不快な気持ちにさせるくらいなら、わざわざ付き合ってること言わなくてもいいんじゃないか。

どうせあと半年だし、って思って言ってみたんだけど。




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