プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
一輝くんは、少しも迷わずに、即それを拒否した。
そうしたくないと。


「俺も何言われても気にせんばい。
好きな人と付き合ってるだけやけん、何も悪いことも恥ずかしいこともしてない。隠す必要なかよ」

「......悪いことはしてないよね」


なんか前も同じようなこと言われた気がする。

少しも変わらないその不器用なまでの純粋でまっすぐなところに感心するとともに、改めて好きだと思う。


「俺はみどりが彼女だって言いたい。
森村みたいなやつもおるけん」

「別にあいつはただのペットみたいなもので、無害だよ」


まっすぐにあたしを見つめるふたつの瞳と、より力を込めてぎゅっと握られた手。

嬉しいけど、何となく気恥ずかしさを感じる。


「みどりが良くても、俺が嫌だ。
自分の彼女にまとわりつかれたら腹立つけん。
まわりにもみどりに興味ば持ってる男がけっこうおるとよ」

「あー......、そりゃ興味本意で近づきたいって男はいるだろうね。でもまあ、さすがにああいうことがあったから、本命には考えてないだろうし、ほんとにあたしに手出そうなんて勇気のある男はいないでしょ」


そりゃあたしだって、フリーってていにしてたら、内巻きボブとか一輝くんの周りをうろつく女がいることは気になる。

他にも虎視眈々と狙ってる女がいるかもしれないし。


< 518 / 623 >

この作品をシェア

pagetop