プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「いまは俺と、それから......。
敦士先輩と、マネージャーさんと......、三人ですね」


敦士と、それからあたしの方をチラッと見て、坊主頭の後輩くんは指をいち、に、さん、とみっつおった。


「まてまて、何でさりげなく俺ら入ってんだよ。
それお前一人じゃねーか、まさかの一人かよ。
甲子園どころか試合にもなんなくね?」


うちの高校で力入れてる運動部って、サッカーとテニスくらいしか聞かないし、この後輩くんが一週間前に入ってくるまでは、野球部なんて見かけたこともなかった。

そんなことだろうとは思ったけど、それにしても試合したいなら最低でも9人は必要なのに、まさかの一人とはね。


「それでこうして、一緒に甲子園目指してくれる仲間を募集しとるとです」

「......なんでお前ちょいちょいなまってんの?」

「それあたしも気になった」


そこまでおかしいってわけじゃないけど、微妙にイントネーションがあたしたちとは違う気がする。と敦士に同意すると、ユニフォーム姿の後輩くんは笑顔でうなずいた。


「地元はもともとこっちなんですけど、親の仕事の都合で最近まで九州におったとです」


ふーん......、それなら納得。
それはいいとしても、まだ疑問がひとつ。







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