プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「うん。でもさ、俺が今まで大事に守ってきたみどりをつまらない男に持ってかれるなんて許せないと思わない?

みどりは今まで誰にも本気にならなかったから、俺は幼なじみってポジションにいたのにさ。

今さら他の誰かに本気になるなんてムカつく」


たしかに、中学時代のしつこい男、特に例の元カレメガネから、さりげなくガードしてくれてたのは秀だ。

秀は今まで女がいても、あたしを一番に優先してくれたし、あたしだって他に男がいても、秀の方を優先してきた。


お互いそれが原因で別れたこともあったけど、優先順位を変えようなんて、ちっとも思わなかった。

だって、幼なじみの秀より大切な男なんてできなかったから。


今までのあたしだったら、本気で好きな人と出会ってないあたしだったら、最終的に安心できる幼なじみの秀と結婚もアリかなとは思ったかもしれない。


だけど、あたしは出会ってしまった。


「一輝くんはつまらない男じゃないから。
だけど、その勝負はできないよ、秀」

「どうして?一輝くんが俺に勝てる自信ないから?」


挑発するでもなく焦るでもなく、少しもゆるがない余裕たっぷりの目であたしを見る秀を、あたしもまっすぐに見つめ返した。
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