プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「ねぇ、一輝くん......だっけ?
本気で甲子園目指したいなら、なんでここきたの?
銀月館とかいけば良かったじゃん」


甲子園目指す、ぐらいの意気込みでって意味かもしれない。だけど、もし本気で言ってるのだとしたら、相当頭がイッちゃってる。


進学校としては有名でも、野球に関してはまるで無名の星ヶ丘よりも、他にいくらでも甲子園に近いとこがあるはず。


例えば......、隣の県の銀月館とか。
銀月館なら毎年のように甲子園行ってるし、毎年のように卒業生がプロ入りしてるし、野球やってる人なら誰もが憧れるとこ。

寮もあるし、ここからだって通えない距離じゃない。


今朝も野球部の朝練のために、私よりも二時間も早く家を出た超絶生意気な弟。

あんなんでも銀月館に通ってる弟を思い出しながら、後輩くんを見上げた。


まあ、銀月館はレギュラーどころか野球部に入ること自体が難しいらしいから、銀月館じゃないにしてもどうして他の選択肢を考えなかったの、と付け足すと。

敦士もだよなとうなずいて、あたしの意見にまるっと同意した。

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