プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
一輝くんはそれからも榎本実に色々言っていたけれど、榎本実の方はとりつくしまもないといった感じ。
視線を合わせたのは最初の一回だけで、あとは参考書からは一切視線をあげずに、ムリ、野球はやめた、の一点張り。
「ねぇ、榎本くん。
なんで野球やめちゃったの?
あんなにすごいピッチャーだったのに」
さっき一輝くんに聞くまでは名前も知らなかったぐらいだけど、どうにか関心をひこうと榎本実の隣に座って、榎本アゲをしてみる。
「別に......大したことないよ。
ただチームメイトと運が良くて、全国にいけただけのどこにでもいるピッチャーだ」
「そがんことなか!
実先輩がおったら、甲子園も夢じゃなかけん。
力を貸してください」
視線は参考書のままだったけど、ようやくムリ以外の言葉をしゃべった榎本実に、声が少し大きくなる一輝くん。
そんな一輝くんに、あたしもうんうんと同意する。
「本当に僕大したことないから、他当たって」
「またまた~、そんな謙遜しちゃって。
絶対すごいでしょ。ね?もう一回野球やろうよ」
かたくななに拒絶する榎本実にしつこく粘れば、やつはメガネを上げるとため息をついた。
視線を合わせたのは最初の一回だけで、あとは参考書からは一切視線をあげずに、ムリ、野球はやめた、の一点張り。
「ねぇ、榎本くん。
なんで野球やめちゃったの?
あんなにすごいピッチャーだったのに」
さっき一輝くんに聞くまでは名前も知らなかったぐらいだけど、どうにか関心をひこうと榎本実の隣に座って、榎本アゲをしてみる。
「別に......大したことないよ。
ただチームメイトと運が良くて、全国にいけただけのどこにでもいるピッチャーだ」
「そがんことなか!
実先輩がおったら、甲子園も夢じゃなかけん。
力を貸してください」
視線は参考書のままだったけど、ようやくムリ以外の言葉をしゃべった榎本実に、声が少し大きくなる一輝くん。
そんな一輝くんに、あたしもうんうんと同意する。
「本当に僕大したことないから、他当たって」
「またまた~、そんな謙遜しちゃって。
絶対すごいでしょ。ね?もう一回野球やろうよ」
かたくななに拒絶する榎本実にしつこく粘れば、やつはメガネを上げるとため息をついた。