絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「もし、この中に奴隷候補になりそうな人がいたら……って、思ってるよ」


「見ず知らずの人にチケットを渡すんですか?」


あたしは驚いてそう聞いた。


「いざとなれば、そのくらいやる覚悟じゃないと」


優也さんはそう言い、また窓の外へと視線を向けた。


今日は土曜日だから行きかう人たちは私服姿の人がほとんどだった。


「にせ物のチケットを用意しておいてよかったよ。今からでもこうして奴隷候補を探す事ができるんだから」


優也さんはそう言い、1口コーヒーを飲んだ。


これから奴隷候補を選ぶなら、今から行動した方がいい。


見ず知らずの人間からチケットを受け取る人なんて、そうはいないだろうから。


しかし、優也さんは『探せばいい』と言うだけで動こうとしない。


あたしはそこに違和感を覚えた。
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