絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
太陽の陽は弱まり始めていて、木陰にいればちょうどいい気温だった。


「優也さん、1つ聞いていいですか?」


「なに?」


「どうしてにせチケットなんて思いついたんですか?」


たた一週間と言う制限のついた期間中、普通なら奴隷候補を探す事で頭はいっぱいになり、


奴隷候補が当日来なかった場合を想定した動きなんて、とても出来る状態ではない。


「あぁ、ピンと来たんだよ。にせ物を用意しておけば、奴隷候補が現れなくてもチャンスはあるってね」


そう言い、ニコッと微笑む優也さん。


「それにしては、冷静ですね」


あたしはスッと息を吸いこんで、そう言った。


約束時間まで、あと40分。


どこまで優也さんの本心を引きだせるかの勝負にかかっていた。


優也さんはあたしの言葉に笑顔を消した。


「どういう意味?」


「奴隷候補を今から探すなんて、到底無理です。一週間かけて探したあたしが言うんだから、間違いありません」
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