絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「それは……朱里ちゃんが呼んでくれた子たちが全員来れば、問題ないから」


その言い方にあたしの奥で何かがキレる音がした。


「何人か集めることができるなら、最初から半々で集める事を提案することだってできたはずです!


いつでも冷静で、いつでもあたしを心配してくれる優也さんが、その事に気づかないわけがなかった!!」


自分の声が公園内に響き渡る。


遊んでいた子供たちの声が、一瞬静かになった。


注目されているのがわかる。


でも、止められなかった。


「優也さんはわざと提案しなかったんです……。自分の……都合のいい女性を1人でも減らしたくなかったから……」


あたしはそう言い、呼吸を整えた。


言いながら涙が浮かんできて、優也さんがどんな顔であたしを見ているのかもわからなくなった。


「約束時間まであと20分。これが、さっきクラスメートに送ったメッセージです」


あたしは涙をぬぐってそう言い、自分のスマホを優也さんの目の前につきつけた。


そこには……《今日のイベントは中止になりました》という文字。


それを読む優也さんはみるみるうちに青ざめて行く。
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