絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「どういう事だよ!!」


「あたしの友達はここには来ません、1人も!!」


最初に彩美に送ったメッセージも、これと同じものだった。


こんな男のために犠牲にしていいクラスメートなんて、誰1人としていないんだから!


「このっ……」


カッとなった優也さんがあたしに掴みかかる。


それを見計らい、あたしは「助けて!!」と、大きな声で叫んだ。


「なにしてるんだ!」


道を歩いていたサラリーマンが駆けつけて、優也さんを押さえつけた。


公園で子供たちを遊ばせていた人たちも駆け寄ってくる。


「さっきから口論してる様子だったけど、大丈夫?」


「……大丈夫です……」


あたしは弱弱しく返事をする。


「くそ! 離せよ!!」


優也さんは体格のいい男性2人に両腕を掴まれて動けない状態だ。


あたしはそんな優也さんの後ろに回り、ポケットにねじ込まれている封筒とスマホを奪った。


「それは……おい、やめてくれ!!」


そんな声を聞きながらあたしは公園を後にした。


少し手荒だったかもしれないけれど、綿密な計画を練るほどの時間がなかったんだから仕方がない。
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