絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
このやり方を勲さんのターンまで続けていれば、たしかに夏子さんと昭代さんの投票箱にも5枚が入り、2人は助かっていた。


でも、実際には勲さんは1人除け者にされていたため、自分の投票箱に1枚しか入れていない。


つまり、あたしと優也さんだけが5枚になるよう、最初から仕向けられていたのだ。


とはいえ、誰が勝つかわからなかったのだから、夏子さんの投票箱にBが入っていなかったのは単なる偶然だ。


それでも、自分とあたし以外の誰かが死ぬように仕掛けたのは、間違いなく優也さんだ。


「それほど冷静な計画をあの瞬間に立てるなんて普通ならできないんじゃないかって思ったんです。


だけど、優也さんがこのゲームの経験者だとすると、それができた」


「なるほど。鋭い洞察力だ」


黒スーツの男は感心したように何度も頷いた。


「確かに、あの男がここへ来るのは初めてじゃない。3度目だ」


黒スーツの男の言葉にあたしは目を見開いた。
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