絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～②

7日間に5人の奴隷。


しかも、相手には奴隷になることを伝えなければいけない。


ボヤボヤしている時間なんて、あたしたちにはないんだ。


そう思い、あたしは気を取り直す。


《ひとつ閃いた事があって電話をしたんだ》


「閃いたこと？」


《そう。仮に朱里ちゃんが奴隷候補を5人見つけてくれたとしても、相手がチケットを受け取ってくれなければ意味がない。だけど、奴隷になると言う事を相手に伝えてチケットを受け取ってもらえるとは思えない》


「あたしも、そう思います」


それでもなんとか相手を説得しなきゃいけない。


そう思っていた。


《でも、よく思い出してみればスーツの男は、「どのタイミングで奴隷になるという説明をしなければいけないのか」という事は言っていなかった》


優也さんの言葉にあたしはスーツの男の言葉を思い出していた。


『奴隷になる相手にはその封筒の中のチケットをちゃんと自分の手で渡す事。そして奴隷になってくれと言う事を伝える事』


たしかにそう言っていた。


優也さんの言う通り、いつ、どこでそれを伝えなきゃいけないかとい事は、説明していなかった。