絶叫脱出ゲーム～奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ～②

そんな街の中を歩いていると、不意にチャリンと何かがコンクリートの上に落ちる音がして優也さんは立ち止まった。


後ろを振り向いてみると優也さんの足元に小さな銀色の鍵が落ちていた。


「優也さん、これ……」


あたしは鍵を拾い上げ、優也さんに渡した。

「なんだ？　この鍵……」


優也さんは怪訝そうな表情を浮かべる。


あたしたちが来ている服は《mother》が準備したものなので、この鍵は優也さんの私物ではないことは明白だった。


《mother》の連中があらかじめ優也さんの服に入れておいたのだろう。


だけど、その小ささから優也さんは今まで気が付かなかったようだ。


銀色の鍵には白いプレートがついていて、それには123という番号が書かれていた。


「ロッカーの鍵かな？」


優也さんは首を傾げながらもそう言った。


「そうかもしれない」


あたしは優也さんを見て頷く。