絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
耳元でささやかれる。


「なに、それ?」


「街でナンパされて、相手と一緒にご飯を食べるの」


「それだけ?」


あたしは目をパチクリさせる。


「そ。でもご飯を食べるのは必ずバイト先のお店」


「どうして?」


「男の人を自分のお店で飲み食いさせることで、売上につなげるんだよ。


お店の商品の売価は通常の3倍。だけど女の前で男はNOとは言えないから、支払ってしまうんだよね」


公恵の説明にあたしは大きく頷いた。


相手を騙しているわけでもないし、法律に触れているわけでもない。


これなら正当な理由でお客さんに多額の請求ができる。


だからバイトの時給も通常よりいいんだ。


でも……あたしの中で公恵への価値は確実に下がった。
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