絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「俺、学校は午前中授業だったんだ。腹が減ったから出て来ただけ」


そう言う優也さんは学生にしか見えない。


少し幼く見える優也さんの外見を利用し、他校の知り合いを演じているのだ。


年上の男性というよりは、同級生という事にしておいた方が警戒心も弱まると考えたからだ。


「ちょっと、その人誰?」


先に食いついたのは公恵だった。


優也さんは一般的にいってかなりカッコいい人だ。


公恵はその容姿に惹かれている。


「N高校の優也君だよ。あたしたちと同じ16歳」


あたしがそう紹介すると、優也さんは軽く頭を下げた。


「ね、ここに座ってもらえば?」


公恵がそう言い、自分の前の席を指差した。


その隣の席は彩美だから、彩美は少しムッとしたように公恵を睨んだ。
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