絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
☆☆☆

良い事でも悪い事でも、共有者がいるということは心強くて嬉しいものだ。


1つの目標に向かって2人で進んでいく。


支えあい、意見を出し合いながら二人三脚で。


あたしは鼻歌にスキップまでつけて歩きたい気分なのをグッと我慢してファミレスへと向かった。


店内は学校が終わったばかりの学生でにぎわっていた。


今日は少し気温が高いからみんな冷たい物を食べたり飲んだりしてから帰るつもりなのかもしれない。


あたしは一番奥の人気のない場所を選び、席についた。


見たことはないけれど、同じ制服を着ている生徒もちらほらいる。


場所を変えた方がいいかもしれない。


そんな思いが過る。


店員さんが冷たい水を運んできてくれて喉を潤した時、優也さんが店内に入って来るのが見えた。


先にメッセージを送っていたので迷うことなくまっすぐにあたしの方へと歩いてくる。


その歩き姿だけでも随分とカッコよくて、周囲の女の子たちの視線を集めていた。


まずい……。


こんなに目立ってはクラスメートの話なんてできない。


今日はファミレスを待ち合わせにしたのは失敗だったな……。


そう思い、周囲に顔を見られないようにうつむいた。
< 62 / 140 >

この作品をシェア

pagetop