絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「ごめん。近くで個室といえばここしか思いつかなかった」


思いのほか狭い空間に、優也さんが顔を赤らめてそう言った。


少しでも動くとすぐ密着してしまうような空間に、あたしは戸惑う。


「し、仕方ないですから……」


そう言いながらも、心臓は高鳴っている。


「ほ、本題なんだけど。チケットは渡せた?」


そう聞かれ、あたしは頷いた。


「公恵にはdashの極秘ライブチケットだって言っておきました」


「うん、いいね。あの子からそれで食いつくよ」


「実はその時に3人の男子生徒たちがチケットに興味を持ったみたいで、ほしいって言ってきてるんです」


あたしはそう言い、かばんに入れっぱなしにしてあったクラス写真を取り出した。


「この3人です」


あたしは清水君と薮木君と吉本君の3人をそれぞれ指さした。


「見た目だけじゃどうかよくわからないな」


優也さんは首をふってそう言った。


「清水君は背が高いのだけが取り柄みたいな生徒。薮木君はそんな清水君といつも一緒にいて、少し悪ぶってる生徒。吉本君は真面目で。


今日はたまたま2人と一緒にいたみたいです」
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