絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
3人の事を簡単に説明すると、優也さんは「う~ん」と、腕組みをして考え込んでしまった。


一気に3人も奴隷候補ができたことを喜んでくれると思っていたあたしは、優也さんの態度に少し落ち込んでしまう。


「重要なのは当日本当に《mother》に集まってくれるかどうかだ」


「それは……そうですけど……」


そう考えると、この3人がちゃんと集まるかどうかは怪しくなる。


3人が共通して興味を持つイベント内容を考えればいいのだけれど、適当な嘘をついてしまったからそれももう遅い。


チケットを渡してしまえば、あとは3人の判断にゆだねる事になる。


あたしは自分の行動が軽率だった事を実感し、うつむいた。


せめて『チケットを持ってくる』なんて言わなきゃよかったんだ。


教室で調子に乗ってしまったことを反省しても、もう遅いけれど……。


「ごめん、朱里ちゃんを責めているわけじゃないんだよ?」


優しく手を握られて、あたしは顔を上げた。
< 66 / 140 >

この作品をシェア

pagetop