絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
☆☆☆

しばらく彩美としゃべっていると、清水君が登校してきた。


「よぉ、世田! 昨日の約束のチケットは持って来たんだろうな?」


上から目線でそう言われ、一瞬イラッとする。


だけどあたしは笑顔で「持ってきたよ」と、答えた。


カバンから3枚のチケットを取り出す。


それは公恵にあげた物とまったく同じ……に、見えるコピーだった。


正直、男子3人は当日に来てくれるかどうか怪しい。


だから、先に本物のチケットを渡しておくのは危険だと判断したのだ。


当日にちゃんと来てくれれば、その場で本物のチケットを渡せばいい。


昨日、優也さんと2人で考えた事だった。


「おぉ、これがそのチケットかぁ!」


清水君は何も疑う事なくチケットを受け取って喜んでいる。


「このチケットは本当に希少なものなんだから、当日必ず来てよ?」


あたしは念を押してそう言った。


「わかってるって。サンキューな」


清水君はそう言い、自分の席へと歩いて行ったのだった。
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