絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
「どこに……いくのかなって、思って」


あたしはどうにか言葉を発した。


松田さんは公恵たちとは違う、あたしの考えをすべて見透かしてしまっているように見えて視線が泳いだ。


「屋上。一緒に来る?」


そう言われて、あたしは大きく頷いた。


まさか誘ってもらえるなんて思っていなかった。


『ほっといて』とか、軽くあしらわれてしまうと思っていた。


あたしは松田さんに続いて屋上へと出た。


そこには灰色のコンクリートが広がっていて、日陰はない。


ただ見晴らしの良いだけの、暑い場所だった。


屋上へ出ると松田さんはすぐに鍵をかけた。


「鍵、なんで持ってるの?」


鍵をポケットにしまう松田さんへ向けてそうたずねる。
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