絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
頭の中がぐるぐると回っている感覚で、めまいを感じた。


その時だった。


「あたしの噂の真相を聞きに来たんでしょ?」


そう言われてあたしの思考回路はピタリと停止した。


松田さんの噂……?


一瞬、すべての事が白紙になってしまったため、その黒い噂を思い出す事ができなかった。


しかし、あたしは自分でも無意識の内に「うん、そうだよ」と、頷いていたのだ。


「男の人からお金をもらってるとか、なんとかってやつ?」


そう聞かれて、ようやく松田さんにそういう噂があることを思い出していた。


「そ、そう……」


あたしはドキドキしながら頷く。


奴隷候補を探している事を知っていたワケじゃなかった……。


そのことにホッとしながらも、これからどう嘘を塗り重ねていこうかと頭の中で汗が噴き出している。


「事実だよ」


彼女の一言で、あたしの脳内の汗はピタリと止まった。


「そうなんだ?」


「うん。あたしには両親がいなくて親戚の家で暮らしているんだけど、中学で義務教育は終わったんだから働けって言われたんだ。


だけどいまどき中卒で働き口なんて見つからない。



学校に行っていない15歳の女の子をまともに雇ってくれる場所なんてどこにもない。だから、売春や男の人に貢がせてお金を作って、どうにか高校に通わせてもらったの」
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