絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
友人が首輪なんてつけていると言う事自体に驚いている様子だ。


「なに……それ……」


「《mother》でつけられた首輪だよ。これは電流が流れる仕組みになっていて、脱出するまでの間に何人も死んでいった」


「何人も死んだとか、そんなの全然笑えないよ!?」


彩美があたしから少し離れて声を荒げた。


「あたし、笑ってなんかないよ?」


「……本気……なの?」


彩美の言葉にあたしは頷く。


彩美は手の中のチケットを見下ろした。


「そのチケットを持ってその日付と時間通りに《mother》へ行くと、あたしの代わりに彩美が矯正施設に入る」


「そ……んな……」


彩美の手が小刻みに震えているのがわかった。
< 97 / 140 >

この作品をシェア

pagetop