ダントツ!!16番人気の翔馬くん
むっ…


『ちょっと…』


『週末のレースは…』


って、無視かいっ!!


『ねぇ、ってばっ!!』


あたしはもう一度新聞を奪い取った。
そしてそれをグシャグシャに丸めると、ポイっと後ろへと投げ捨てた。


『あっ!お前っ、何す…』


『だめっ!!』


あたしは新聞を拾いに行こうとする翔馬くんの腕を掴んだ。


そして157cmのあたしより20cmは高いであろう彼を見上げながら声を上げた。

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