ダントツ!!16番人気の翔馬くん
『でっ、用ってなんだよ。』


翔馬はソファーに深く身を沈めながらはぁっと大きなため息をついた。


『いや、たいしたことじゃないんだけどさぁ…ただ…』


『ただ…?』


『可愛い可愛い従兄弟くんと、競馬談義に花咲かせようと思って…』


俺は翔馬の頭をなでなでしながら、ニコニコと笑顔を浮かべた。


すると次の瞬間、翔馬の目がキラリっと輝いた。


『なぁなぁ大和~!!今週のG1どう思う?だって1番人気、出走取り消しだぜ。まぁ、俺としちゃ…』


『はい、ストップ。』


俺は翔馬の唇に人差し指を当てた。


コイツ…見た目だけはいいのに、


(まぁ、俺には負けるけど…)


なんで中身はこうなのかなぁ~?


俺は頭を抱えながらはぁっと大きなため息をついた。

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