ダントツ!!16番人気の翔馬くん
『それがある限り、翔馬くん、全然あたしの話聞いてくれないじゃん!』


そうだよ、全部あれのせいなんだもん…。


全部、全部、全部、


翔馬くんが“競馬”なんて好きだから…


あたしは無惨な姿の新聞を見つめながら唇を噛みしめた。


するとあたしの腕を振り払った翔馬くんは突然、ポケットからケータイを取り出した。
そしてポチポチとボタンを押しディスプレイを見つめると、顎に手を当てながらボソボソと呟き始めた。

< 4 / 79 >

この作品をシェア

pagetop