好きです 短編
ガラガラー…

教室のドアが開かれた。

「もぉ、先生遅いぃ♡」

「すまんすまん、会議が長引いてな」

苦しい、ここに居たくない。

「小森、教科書開け。」

「先生、私帰ります。」

「小森さん、帰るのぉ?♡」

帰るょ。

「小森、どーした?」

「だ、大丈夫です。体調悪いだけですから。」

涙が出そうになる。でも、ここで泣いちゃダメだ。

「先生ぇ、小森さん体調悪いそうですよぉ?♡帰らした方がいいと思いまぁす♡」

浅野さんは、私に帰ってほしいだけなの。
私は、浅野さんにとって邪魔な存在なんだから。

「先生、さよなら。」

「小森!」
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