雨が降ったら
「ねぇ、ユメ。あそこにいかない?」


ようやっと涙が止まった私の腕から開放されたミウは、フェンスの向こうを指した。


「月見丘(つきみおか)?」


月見丘とは、この町で一番高い場所にある広場?のようなところで、地元の人もなかなか訪れないような場所。


「連れてって。」


ミウに手を取られ、屋上からエレベーターで下へ降りる。

ミウの手は折れそうなくらい細くて、少し怖かったけど、ミウ本人が自分と私の腕をぶんぶん振りながら走るから、私も思いっ切り振った。




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