距離感
そんなことを考えながら歩く僕の頭に触れるものがある。


雨だ。


雨と気付いたときには、もう僕の頭は湿り始めていた。


(あ〜あ……1人だったら自転車でソッコーで帰れたのになあ……置いてくわけには……)


僕は潰れた駄菓子屋のアーケードの軒下に走りこんだ。


彼女も渋々といった感じで……って、いない!?

(……まあいいかあ。でも、なんで嫌われたんだろな……)


彼女の姿はどこにもなかった。


たぶん、僕が自転車をアーケードに入れるのに手間取ってるうちに学校へと帰ったんだろう。
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