シュールな関係
「よっ 奈緒 久しぶりだな
――――・・・で何でお前俺の隣に座んないワケ?」
わたしが一席離れて座ることに
不満を持ったみたいで
不機嫌な顔付きで尋ねてくる大和
「だって、
お金貰いに来ただけだし」
わたしたち友達でもないのに一緒に
座ることないでしょ?
それにわたし今日は
一人で飲みたい気分だしね。
「オマエな――――
他の客来たら座れねぇだろ?
働いてるだろ?
社会人なのにそれくらいわきまえれないのか?」
えぇっつ!?
なんだかあなたに常識的なこと
言われたらびっくりして
わたし退いちゃうんだけどっ?
15人掛けの木製のオシャレな
ロングカウンター
ゆったりとジャズが流れる
薄暗い店内にはわたし達の反対側に
1組のカップルがいる程度
「まだ空いてるし離れて座っても問題ないでしょ?」
「お前さ 以外と照れ屋なんだな」
「はぁ 意味が分かんないんだけど?」
「生意気な言い方するくせに
俺に会う為にオシャレして来たんだろ?
それなら
もう少し素直になれねぇの?」