シュールな関係
「借金の原因は?」

やな質問だ


「父親のギャンブル」



「愛人の子って言ったよね

父親とはどんな関係?」


「よっぽどの事がない限り合わないし、今さら関係といってもなぁ」

両腕を組んで少し考え「ん・・・パス」



「じゃぁ ペナルティにもう一杯のんで貰うわね」


「お前、鬼だな」


「何なりとおっしゃい

ルールには誠実に答えないとね!」


侮れないヤツ、と言いながら飲む。




「奈緒はその服着何処行ってた?」


「センパイの偽彼女になりきって

両親と会い大失敗して無茶苦茶になってしまったわ」



「くくっ 

相変わらずハチャメチャなことしてんだな」




「乾杯」





二人のピッチは止まらない。




・  




それから何杯飲んで

二人で一問一答を続けたのだろう




今まで付き合った男の数・・・


寝た数・・・



今まで生きてて

一番嬉しかったこと


辛かったこと



最後に泣いたのはいつか・・・


どこに旅行に行きたいとか・・・


どんな夢があるかとか・・・



お酒の勢いと一問一答という

言葉に縛られたかのように


わたしは普段話さないような

心の内を大和に色々と語っていた。



そして彼の一面に少し触れた

気がして、ただのチャラ男

じゃなく大和の人生にも

色々あったんだなって思った。




こんなに素直に話せたのは


多分・・・知らない者同士だから?



もうわたしの人生で

関わることのない人だから?





それともお酒の力?






闘争心の塊で何も

聞こえなかったわたしの耳に

静かに奏でるジャズの音が

いつのまにか心地よく聞こえていた。


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