シュールな関係

「姉ちゃん急がないと!


そろそろ出勤の時間じゃない?



昼用にサンドイッチ作ったから持って行ってな」



「ほんとだわっ もうこんな時間

 ありがとう晴人

急がなくっちゃ 遅刻する!!」


かなり話し込んでいて時間すら忘れていた。




「それと一之瀬さんからの言伝

『出勤したらすぐに連絡しろ』だってさ」




ああぁぁぁっ~!!! 

出勤したくないっ


ヘナヘナと床に座り込み、晴人にすがるような眼で訴える。


「な…なんかお腹痛くなってきた…

シクシク痛むよ…




熱もあるような…頭痛いし・・・ フラ付くような」



「診断したげるよ


それは嫌々病とただの二日酔い!



ちゃんとするって今話し合ったとこだろ?」


呆れた顔でいい当てられる。



「うゥゥ… 分かっているわよ」



頭では理解してても怖いのよ~~



一之瀬さん、出張が入ってたりしないかなぁ

それとも、彼が病気になってる、とか!



あとは・・・


都合よくならないけれど、かすかな可能性を考える。




今日は勤務後にブティックに服の返品にも行かないと・・・



「姉ちゃん マジで急げって」


晴人に急かされてアパートを出る。



雨は上がったものの 空にはわたしの心情と同様に

またすぐにでも降り出しそうな厚い雲が立ち込めていた。

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