シュールな関係
「なんだと?
却下に決まっているだろ
この粗大ごみ第一候補がっ!
一人で来い 必ず来い
出ないと社内アナウンスで会長室に呼び出すぞっ
希望あるならおまけも付けてやる
分かってるだろうなっ!?」
ひぃ~っつ! ご無体な!
それは絶対に断れない
かなり憤慨してますよね?
受話器から昨日からの苛立ちが通じます…
受話器の向こうでどんな顔を
しているかも想像がつきます。
刃向えるはずがない。
一之瀬さんも会長室って公私混同してるじゃない!
会長室のおまけつき・・・
それってお父様付きってこと?
お、恐ろしい……
「わ…分かりました
必ず、どんな事があっても遅れずに行きます」
「これ以上幻滅させるなよ」
受話器を置きながら再度深く後悔する。
わたしの事は亡き者として
扱って下さいって門にお辞儀を
して帰ったのに・・・
どうして亡き者として扱ってくれないの?
今さらだけど
こんな展開になるなら始めから
受けなかったら良かった・・・。
「奈緒先輩
一之瀬さんから電話なんていいなぁ~
仕事とはいえジェラシー沸いちゃいます~」
重い気持ちで受話器を切るわたしの気持ちを
何も知らずに羨ましがる留美
トホホ……
仕事なんかじゃないわよ
仕事ならどんなに今は幸せか・・・
羨ましい?
それならわたしも留美に替わってもらいたいわよ。