シュールな関係
全く見覚えも記憶も無ければ記憶もない


初対面・・・だよね!?



記憶をフル回転するがヒットはしない。



「はじめまして、奈緒ちゃん


一磨って言えばわかるかな?」



屈託のない笑顔でわたしにニコッと笑う男


黙ってるとそれぞれのパーツの完成度が高いからか、

薄嫌い照明のせいか少し表情が読み取りにくい。



笑みが出ると柔らかく爽やかな雰囲気を漂わせる。



かずま・・・かずま・・


「一磨!!?」

自分の声に衝撃が走る


聞き覚えがあるじゃないの!!



「も、もしかして大和の友達の一磨!?」


大和と一緒に酔ったわたしの

写メや動画などの賭けの対象にした男!!


大和の携帯で勝手にメールをした相手!



「ビンゴ! 


そう俺が一磨だよ


前から大和から話聞いてから奈緒ちゃんに

是非一度会いたかったんだよ~」



あたしは会いたくなかったわよ



「この前は絵文字付のなりすましメールありがとう!


あれは大ウケしたよ



迎えに来たのに

大和って一度寝ると起きない奴だから負ぶって大変だよっ


超面倒だったの分る?


脱力してる時の重さって半端じゃないし。



それにしても奈緒ちゃんてやるじゃん!

大和に勝つとは凄く強いみたいだね!」



社交的な、そいて甘いマスクがペラペラと楽しそうに話す。





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