シュールな関係




「あなたってかなりお喋りね」

ウザい目つきで見返すと



「可愛い子や興味持った子は特に!


奈緒ちゃんは可愛いタイプだよね」

しゃあしゃあとして全く気にもしていない





初めて会った時の大和と同様にわたしを楽しみ、

撫でるような声で『奈緒ちゃん』と馴れ馴れしく呼ぶ男



見た目は誠実そうで清々しいのに

喋ると軽い感じや雰囲気は大和似ている。





大和は生意気だけどグレードの高い容姿に物怖じしないタイプ

一磨は爽やかで整った顔、トーク上手で切れ者そうなタイプ



『類は友を呼ぶ』


種類は違うが似た者同士だわ 
 


昔の人は良い言葉を作るものね…と一人で感心するわたし。




「あの時は迷惑かけたわね


でも、もう二度とあなた達と関わる事ないからご安心を!



では失礼。」



口だけ笑みを浮かべ、涼しげに言い払う。



これ以上、接点のない男と話すべきはなし




飲みかけのグラスを置いて立ち去ろうとすると

一磨が軽く腰をあげ、わたしの腕を掴んだ。



「そんなに僕のこと毛嫌いしなくてもいいでしょ?


せっかくマスターが出してくれたのに飲まないと失礼だよ」



そう言って力強くわたしを座らせ

手を握るように飲みかけのカシスソーダ―のグラスを手渡し

スマートに隣の席に移動する。






< 165 / 441 >

この作品をシェア

pagetop